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横道世之介 [本(エンターテイメント)]


横道世之介

横道世之介

  • 作者: 吉田 修一
  • 出版社/メーカー: 毎日新聞社
  • 発売日: 2009/09/16
  • メディア: 単行本



以前読んだ、吉田修一作品とは随分違う印象。
そしてなんだか不思議な作品。

大学生になった横道世之介はテキトーにサークルを選び、学校よりもバイトが忙しく
Wデートなんてしたりしながら、年上の綺麗な女性に恋をして、
そして周りの友達にも優しくしつつ、されつつどっぷりと誰かに入り込むこともなく、
それでいて偏見や先入観を軽く飛び越え、でも真面目なことは真面目に考える。

数年後、彼に関わった人々はあるきっかけから、それぞれに微笑みとともに世之介を思い出す。

普通の大学生のお話。それも結構平凡だけど楽しい部類に入る大学生のお話。
良くも悪くも、学生時代を誰もが思いだしそうなお話。

書評とかだと非常に評価の高い作品。
感動・涙・青春小説の傑作などの言葉が並ぶ。
個人的にはどの言葉もイマイチ、ピンとこない。不思議な小説。

読者それぞれが学生時代に思い描くノスタルジーの中に、最大公約数的に
「そんな奴居た気がする。」「しいて言えばあいつに似てるかも」なんて友人に
当てはまる「あるある感」でほっとさせ、その後それぞれが歩む人生に、
大人って色々あるんだよねと共鳴できる感じがウケているのかなと思う。

最期はなぜ、そうしてしまうのかなと思ったが、
平凡でも、ただの良い奴なわけでもなく、“本当に良い奴”を強烈なインパクトで
納得させる。

青春小説として素敵なお話である。

by dg23

タグ:★★★★☆
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任侠学園 [本(エンターテイメント)]


任侠学園

任侠学園

  • 作者: 今野 敏
  • 出版社/メーカー: 実業之日本社
  • 発売日: 2007/09/19
  • メディア: 単行本



「とせい」の続編。
前回は出版社、今回は私立高校にヤクザが関わり立て直す。

今どきなアホな高校生とやる気のない教師、流行りのモンスターペアレンツなど
ありきたり風な登場人物構成。そんな高校生にいらつきながらも、阿岐本組の代貸・日村誠司は
生徒たちと誠実に対峙することから、信頼を得て腐りきってはいない教師も巻き込み、
時にヤクザの凄みを利かせながら、時に生徒と同じ目線に立ちながら徐々に学校を変えていく。

そして、最後の大きく立ちはだかる壁には、予想通り「親分」という印籠で解決。
分かりやすい水戸黄門な展開も分かりやす過ぎて痛快。

この人の描く登場人物は、皆決して完璧ではない。
それぞれが持つ強さを誰かが上手く引き出し、弱さを誰かがフォローする。
そんな上手くいくわけない非現実加減が、小説ならではの面白さに繋がっていると思う。

きっと続編出るんだろうな。
絶対に読むんだろうな。

by dg23
タグ:★★★★☆
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とせい [本(エンターテイメント)]


とせい

とせい

  • 作者: 今野 敏
  • 出版社/メーカー: 実業之日本社
  • 発売日: 2004/11
  • メディア: 単行本



今野敏の作品なので大外れはしないだろうとは思っているものの、
この作品は警察モノではなく、ヤクザモノ。かつ装丁から見るになんか
軽いおふざけ的なストーリーかなとちょっと心配。

下町のわずか6人の組員しかいない阿岐本組は一般人には迷惑を決してかけない任侠道を貫くヤクザ。
その代貸・日村誠司は組長の思いつきに振り回され、なぜか出版社の立て直しに駆り出されることに。
様々な個性を持つ出版社の面々や、地元のヤクザとの絡みなどに振り回されながら、警察とのひと悶着も
ありながら、ヤクザとしての本能で問題を解決していく。

というお話。

ヤクザなのに、全くハードボイルド的な臭いもなく、ヤクザ同士の緊張の場面も何故か安心してみていられる。
むしろ組員や周りの人間をなんだかんだで助けてしまう日村が微笑ましい。

困った時の解決方法は結局、親分。
それもまた人情があって温かい。

これまで読んだ今野作品とは全く毛色は違うけれども、
一風変わった人達が醸し出す、絶対の正義や優しさは共通しているような気もする。

この作品はドラマ化とか簡単そうだな。と思う。

by dg23

タグ:★★★☆☆
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十面埋伏 [本(エンターテイメント)]


十面埋伏〈上〉

十面埋伏〈上〉

  • 作者: 張 平
  • 出版社/メーカー: 新風舎
  • 発売日: 2005/11
  • メディア: 単行本



十面埋伏〈下〉

十面埋伏〈下〉

  • 作者: 張 平
  • 出版社/メーカー: 新風舎
  • 発売日: 2005/11
  • メディア: 単行本



中国の作品。
名だたる文学賞を総なめした作品だとか。

死刑判決を受けて服役中の受刑者が何故か15年の刑に減刑され、
さらに様々な理由をつけてもうすぐ出所にまでこぎつけそうになっている。
たまたま、この受刑者を担当した所員が、受刑者の口にする様々な事件と
他の刑務所所員の異常な振る舞いに、大きな犯罪の匂いを嗅ぎつける。
そして疑心暗鬼の中、頼れる仲間を見出し、見えない大きな敵に立ち向かう。

というお話。

すごくテンポも良く、信じられるのは誰だ?的なスリリングな展開ではある。
が、いかんせ中国名の登場人物の名前が覚えにくい。
何波(フーボー)くらいならまだしも、羅維民(ルォなんちゃら)なんて最初から最後まで、覚えられず。
ついでに、中国の役人の役職にも馴染みがないため、誰が偉くて、誰がどんな権力を
持っているのか分かりづらいことこの上ない。

よって長いお話で、面白いのに、読みに勢いが出ない。
誰がどっちで、こっちが誰でみたいに読み返しながらの読書は疲れる。

とても面白い作品なのだから、色んな人に読んで貰うのにもう少し分かりやすい書き方が
あれば良いのにと思ったり。

でも中国のお勉強と思って、もう少し違う作品も読んでみたいとも思う。

by dg23
タグ:★★★★☆
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阪急電車 [本(エンターテイメント)]


阪急電車 (幻冬舎文庫)

阪急電車 (幻冬舎文庫)

  • 作者: 有川 浩
  • 出版社/メーカー: 幻冬舎
  • 発売日: 2010/08/05
  • メディア: 文庫



話題の有川浩作品。
以前、同作者の『図書館戦争』を手に取り、
どうしても読む気が起きなくてページをめくる前に挫折。

この作品も、映画の宣伝を見る限り、「う~ん恋愛モノか~…」な感じだったけれども、
貸してくれる人がいたので、帰りの電車で読み始めてみた。

まさか、こんなに面白いとは…。
恋愛小説を読み返すことがあろうとは…。


図書館で気になっていた女性と電車で隣合い、恋が始まる若い二人。
婚約中に同僚に彼氏を取られた相当な美人。
ダメな彼氏との付き合いに悩む女子大生。
田舎から出てきた初々しい二人の初めてのお付き合い。
ちょっと年の離れたおバカな彼氏をもつ女子高生。

そんな、ありがちな?なさそうな?恋愛が、可愛い孫と優しく厳しいおばあちゃんを中心に、
阪急電車の中で少しづつ接点をもちながらすれ違い、明るい未来へと歩き出す。

というお話。

「討ち入りは果たせたの?」
「くだらない男ね。やめときなさい。」
「孫には常識を教育しております。」
というカッコいいセリフを連発するおばあちゃんを筆頭に、
それぞれのキャラが素敵だ。

素直に自分の恋愛を振り返れる女性しかり、ちょっとの勇気を振り絞る男の子も
キャラのお友達も、大魔神のお兄ちゃんも。
(大魔神のお兄ちゃんの件が好きで、読み返したりして)

分かりやすいヒール(ちゃっかり女、DV男、騒ぐおばちゃん達)のお陰なのかもしれない。

久々に映画も見てみたいと思える作品。
おススメ。

by dg23


タグ:★★★★★
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マボロシの鳥 [本(文学)]


マボロシの鳥

マボロシの鳥

  • 作者: 太田 光
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2010/10/29
  • メディア: 単行本



三島や太宰のような作品を書きたかったのでしょう。

しかし、骨が無い、肉が無い。

小説然としているだけで小説でなく、
所々に筆者自身が出てきてしまうのがイタい。

あるのは皮ばかり。

ネタ帳にでもさんざん書き溜めたフレーズを、
ざざざっと放出しただけ感が否めない。

by345

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カフーを待ちわびて [本(エンターテイメント)]


カフーを待ちわびて (宝島社文庫)

カフーを待ちわびて (宝島社文庫)

  • 作者: 原田 マハ
  • 出版社/メーカー: 宝島社
  • 発売日: 2008/05/12
  • メディア: 文庫



日本ラブストーリー大賞受賞作。
基本的に恋愛モノはスルーしてしまうので、こういった賞があるのも知りませんでした。
ちょっと調べると、当然のごとく映像化されていました。

沖縄の小さな島で、犬とともに雑貨屋をのんびりと営む青年・明青。
旅行に行った際に、神社の絵馬にふざけて「嫁に来ないか。幸せにします。」と記すと、
それを受けたちゅらさん(美人)の幸が突然島にやって来る。
隠された想いから、島の変化を受け入れなかった明青も、
彼女と過ごすことで自分の未来を考え始め、そして隣のかみんちゅ(神様おばあ)の
預言もあり一つの決心をする。
しかし、島を変えたい友人の思惑と、さらには幸の隠しごとと明青の誤解が重なる。
そして、全てを知った明青は決意を持って立ちあがる。

というお話。

題名の「カフー」は「果報・幸せ」という意味。

作者の筆力で、沖縄ののんびりとした美しい情景が目に浮かぶ。
過疎の島の開発と反開発というありがちなストーリーと
知らない美人が突然やってくるというあり得ないストーリーが上手く絡み合って
心地良いスピード感は、波に揺られて気持ち良く流されている感覚かも。

つらいことがあったら、
「いち、に、さん」と数えて我慢する。
罠にはめようとした幼馴染をも笑って許す。
そんな人間は根底に太い芯を持っているのかな。

沖縄に行きたいなぁとボンヤリと思える一冊。
恋愛というより、普通の純文学的にも素敵なお話。

by dg23

タグ:★★★★☆
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命もいらず名もいらず [本(エンターテイメント)]


命もいらず名もいらず_(上)幕末篇

命もいらず名もいらず_(上)幕末篇

  • 作者: 山本兼一
  • 出版社/メーカー: 日本放送出版協会
  • 発売日: 2010/03/25
  • メディア: 単行本



命もいらず名もいらず_(下)明治篇

命もいらず名もいらず_(下)明治篇

  • 作者: 山本兼一
  • 出版社/メーカー: 日本放送出版協会
  • 発売日: 2010/03/25
  • メディア: 単行本



たまに骨太な歴史小説が読みたくなる。
そして、歴史小説というと最近ではこの作者の名前を目にすることも多い。

幕末から明治維新を通して、幕府の幕引きから新たな時代の息吹に貢献した
山岡鉄舟の物語。
名前は聞いたことあったようなないような…。剣の達人、書の達人だとか。

幕末、江戸城無血開城などというと西郷や勝海舟なんて名前が有名だが、
実はその前のおぜん立てをしていたのはこの山岡鉄舟だとか。
そしてその後は、新政府の中で、新たな時代に頻発する多くの問題を身一つで解決し、
さらには明治天皇の教育係を務めるという一連の動乱期での山岡の活躍と
その魂の鍛え方をつづった物語。

「命もいらず、名もいらず、官位も金もいらぬ人は、始末に困りもす。そういう始末に困る人物でなければ、艱難を共にして、国家の大業は為せぬということでございます」は西郷隆盛が山岡を評して言った言葉。
山岡の修行や己への問いかけのストイックな部分を思わず流し読みしてしまう自分は、
「全部欲しい」と何の迷いもなく言ってしまうことは間違いない。

余りに剛毅で自分に厳しい人間が主人公だと、
そんなに感情移入も出来なければ、憧れ感も薄め。
というより、精神世界の話が単に苦手だということに改めて気付いた。

長いので、時間があるとき、自分を叱りたい時にでも。

by dg23
タグ:★★★☆☆
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カササギたちの四季 [本(エンターテイメント)]


カササギたちの四季

カササギたちの四季

  • 作者: 道尾秀介
  • 出版社/メーカー: 光文社
  • 発売日: 2011/02/19
  • メディア: 単行本



道尾作品。
新作を真っ先に買うほどではないものの、
あれば気になって手に取ってしまう。
『ラットマン』や『カラスの親指』は好きだったけれど、『龍神の雨』嫌いじゃないけれど、
代表作の『向日葵の咲かない夏』で「はぁ!?そうなっちゃうの?」と思って以来
半信半疑になっているのかも…。

この『カササギたちの四季』はというと…、
主人公・日暮とその相棒・カササギが営む「リサイクル・カササギ」が
かつての客先でもあった小~中学生の菜美とともに、
仕事先で出会う人々に起こるちょっとした事件を解決していく。
時に間違った解釈で、表面的に事件を解決するのはカササギで、
真実に気付きながら密かにフォローするのは日暮。
解決するのがカササギであれば、菜美の夢を壊さず済むから。

というお話。
殺人も起きなければ、精神的に壊れ気味のキャラもなく穏やかに進むストーリーは
物足りない人もいるのでは?とも思う。
でも、どの作品にも見られる人間的な優しさや愛情などは垣間見られ読後感は
決して悪くないはず。
ただ、腑に落ちないのは、日暮が菜美に対してとても優しい愛情を
示すくだりは最後まで、結局なんでだっけ?と読み返してみても疑問だったり。
読解力の問題ですか?

さらっと2時間くらいで読める作品。
気軽に読むのにお勧めです。

by dg23

タグ:★★★☆☆
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新世界より [本(エンターテイメント)]


新世界より(上) (講談社文庫)

新世界より(上) (講談社文庫)

  • 作者: 貴志 祐介
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2011/01/14
  • メディア: 文庫



新世界より(下) (講談社文庫)

新世界より(下) (講談社文庫)

  • 作者: 貴志 祐介
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2011/01/14
  • メディア: 文庫



新世界より(中) (講談社文庫)

新世界より(中) (講談社文庫)

  • 作者: 貴志 祐介
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2011/01/14
  • メディア: 文庫



SFに挑戦。
色んなところでとっても評価の高い日本SF大賞受賞作。

設定は近未来ではなく「遠未来」1000年後の日本。
人間は大人になると特別な力「呪力」を体得する。そこに相応しくないと判断された子供は
密かに姿を消していく。そして、閉ざされた小さな世界を全てだと思って育った子供達は
ある冒険をきっかけに、今いる世界の異常性に気付き、人間が変わり果てた姿「業魔」「悪鬼」の存在を知る。

異常な世界で、人間に忠実な奴隷のように生き、
人間には敵うはずのなかった「バケネズミ」の不可解な行動はやがて、
人間を恐怖の淵に追い込む「武器」を手に入れるに至る。
追い込まれる「呪力」を持つ人間達と「バケネズミ」の戦いの物語に
人間の強さや友情・愛情についての芯が貫かれる。

とりあえず長い。文庫本・上中下で2000ページ。
慣れないSFの、予想通りすっ飛んだ設定に、序盤から心が折れそうになるも
最初の一山(?)を超えると一気読み。止まらない。

あるはずのない世界のイメージが結構鮮明にイメージ出来たのは作者の腕がすばらしい。
「呪力」を持つ人間、牙をむくバケネズミは現代社会の何かにおきかえられるメタファーなのかな?
とも思うが、そんなに深く考えずともエンターテイメントとしてスリリングに楽しめる。

記念すべき、「SF読まず嫌い」を克服させてくれた?かもしれない一冊。

by dg23
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